赤頭巾ちゃん気をつけて

赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)

赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)

読みました。
学生運動が盛んな時代の優等生薫君の話。
狂気の時代に自分はどうあるべきか、
自分の中に考えはあるけれどどう表現すべきか。
社会に対して疑問や反撥は持ちながら、媚びるのも、開き直るのも、攻撃的になるのも何か違うのではないか。
わたしは悩める青年ではないけれど、どこか共感するものがあった。
自分だけかと思ってたけれど、多かれ少なかれみんなそう思うのかなと。
原因がはっきりしないけれどいろんなことに疑問を持ったり、このままでいいのだろうかって思ったり、周りが間違ってると思ったり。

でも、こういうことは男の子の方が深く悩むことなんだろう。
自分をどんな方向に進めていこうって悩んで、答えがはっきりしていないときのもどかしい気持ちがどこか共感できた。

読んで爽快、楽しいってわけではないけれど、読むことで自分を見つめなおしたくなるような本でした。